2020年10月07日

秋山で注意すべきこと

 秋は紅葉狩りやきのこ採りで入山する人が多くなる季節ですが、気をつけたいことがあります。まずはオオスズメバチです。営巣の時期となる8月下旬頃から騒ぎはじめ、きのこ最盛期あたりが最も危険になります。木の上だけでなく、倒木の切り株や土中にも巣を作るので油断は禁物です。近づくと偵察蜂が様子を見に来ますから、「ブ~ン」という羽音が聞こえたら近くに巣があるという認識でいてください。
 次は熊です。冬眠前の大食いの時期なので、登山道に出没する確率が高くなります。熊は渋味の強いブナやトチの実をたくさん食べることで肛門を閉じないと冬眠しません(まれに冬眠しない個体もいます)。食料探しに夢中なので注意力が散漫になっているのです。
 最後は時間に注意することです。日中の時間が長い夏山の感覚で山に入ると痛い目にあいます。秋山は一気に暗くなるので、午後3時半ぐらいまでには必ず登山口に下山できるスケジュールで行動してください。当然、ヘッドライトや懐中電灯も携帯すべきで、万が一の場合を考えてポンチョやツェルトも装備した方が賢明です。安全に秋山を楽しんでください。


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2020年07月27日

山形県の日本百名山

 深田久弥氏の「日本百名山」。我が山形県からも、鳥海山、月山、大朝日岳、蔵王、西吾妻山、飯豊山の6座が選定されています。6/100ですから、都道府県別としては多い方だと思いますし、いずれも本当に素晴らしい山々だと自負しております。
 そんな県内の6座も百名山ハンターの方々は、いろいろな手を使って踏覇されているようです。ちなみに関東からは弾丸ツアーも商品化されていて、私もこれまでに胸にワッペンをつけた登山者にお会いしたことがあります。ちなみに、朝イチで東京を発ち、午後から蔵王に立ち、翌日は月山に登頂し、夜帰京するというスケジュールです。1泊2日で2/100をゲットできるわけですから、かなり効率的でリーズナブルだと思います。月山の代わりに、蔵王と西吾妻山も十分可能なツアーです。
 しかし、他の3座はかなり厳しいです。基本的に公共交通機関利用だと登山口までがかなり時間がかかるので、自家用車やレンタカー利用になります。よくあるのが鳥海山⇔月山。東京発着なら、最低2泊3日でギリギリといったところでしょうか。飯豊山⇔大朝日岳は、距離が近いので一見簡単そうですが、どちらもタフな山行となりますので、決して侮ってはなりません。基本、飯豊山は最短の大日杉コースでも、相当な健脚でないと日帰りは困難ですし、大朝日岳も最短の中ツル尾根コースは下山コースなので往復利用はやめた方が賢明です。3泊4日で行けたらスゴイ部類になります。
 「せっかく遠い山形に行くのだから」と無茶はいけません。それよりも地元の人間としては、忙しない登山ではなく、じっくりと山々に向き合ってほしいと思うのです。満天の星空の下、大朝日小屋からの山形市や新潟市の夜景、日本海の漁火、長大な飯豊の背を彩る紅葉、朝日に照らされて日本海に影を伸ばす雄大な影鳥海、高山植物が咲き乱れる月山では、先達の法螺貝の音に導かれる出羽三山詣での白装束の行者の姿…。我が山形県が誇る貴重な自然や歴史、文化が間近に見られるのです。
 今年は新型コロナウイルス感染防止のため、山といえども不要不急が適用されてなかなか足は進みませんが、落ち着いたらぜひ山形県の山々にお出かけください。梅雨が明けると北国の山はもう秋色めいてきます。


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2020年07月06日

熊との遭遇を避けるために

 これだけ山に入っていると、今までに熊と出会ったのは一度や二度ではありません。遠目に見たことは数知れず、目の前(30m以内)なら多い年だと3回ぐらいありますし、いきなり10m先で鉢合わせをして肝を冷やしたこともあります。熊の生活エリアにお邪魔しているわけですから必然と言えば必然です。
 熊対策グッズもそれなりに揃えており、場所に応じて使用しています。100均ダイソーの火薬銃は、登山口での1発から始まり、山中で適宜発射しています。熊だけでなく、獣たちは火薬の匂いを嫌うそうなので効果はあるのかもしれません。防犯ブザー、ホイッスルなども使用します。また、身近な里山に入る時は、ゴルフのアイアンをストック代わりに携帯します。熊との格闘という最悪時だけでなく、マムシとの遭遇時にも役立っています。
 定番の熊鈴は効きませんね。というよりも、そもそもラジオや人の声は熊が受信できない周波数帯だという専門家もいます。数年前、同じ東北の秋田県で4人が犠牲になった人食熊事件の際も、犠牲者は熊鈴を携帯していたということですし、いつも3つもぶら下げている私が普通に熊と出会うわけですからたぶんそうなのでしょう。以下は私からのアドバイスです。熊に会わないことをお祈りします。
・朝方、夕刻は山に入らない。
・出会ったら余計な動きはしない(じっと睨めていると逃げていきます)。
・春の細筍林、秋の山ブドウなどの実がなるエリアに入らない。


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